奪われた姿。狙われた力。
それでも、連れ帰ると決めた。
『NOX―月詠の影― 天刃淫獄』
囚われた雪兎が目を覚ました時、その身体は女性へと変えられていた。
鏡に映る顔も、耳に返る声も、昨日までの自分とは違う。
豪華な衣服を与えられ、丁寧な世話を受けながらも、城の外へ出る自由はない。
その扱いは優しさではない。すべては、献上される「器」として雪兎を整えるためだった。
すべては、天刃国第一将軍・羅刹のため。
他者の能力を奪い、自らの力とする男が狙うのは、雪兎の持つ「白虎眼」だった。
だが、能力はただでは奪えない。
持ち主が絶頂に達し、体液とともに力が溢れた瞬間でなければ、羅刹はその能力を採取できないのだ。
だからこそ雪兎は、絶頂しやすい女の身体に変えられた。
「嫌だ……元に戻してくれ……っ俺の体を……!」
声も姿も女になっても、中身は雪兎のまま。
けれど城に張られた陣が、変えられた身体を静かに発情させていく。
気持ちが拒んでも、身体は快楽にだけ正直になっていく。
一方、仲間を救うため、紅蓮は敵地へ踏み込む。
その行く手を遮るのは、異なる武器・能力を操る将軍たち。
そして、城に近づくほど強まる陣の影響だった。
女の身体を抗いきれない絶頂へ追い込むために張られた陣は、救いに来た紅蓮の身体にまで干渉し始める。
戦う意志とは裏腹に、身体は熱を持ち、快楽に反応していく。
傷を負い、追い詰められても、紅蓮は刀を握り直す。
「雪兎…必ず連れ帰る」
城に残された雪兎もまた、奪われるのを待つだけでは終わらない。
献上の場で絶頂させられ、体液を採取されれば、白虎眼は羅刹のものになる。
近づく献上の時までに、変えられた身体で自分の意志をどう守るのか。
快楽に呑まれかけながら、仲間を連れて帰るために、どこまで戦い抜けるのか。
紅蓮と雪兎、二人の視点から描く和風ダークファンタジー長編。
剣がぶつかる瞬間、言葉を飲み込む表情、誰にも見せない戸惑い。
文章で内面を追い、イラストでその場面を目にする。
449枚のイラストを本文の進行に沿って収録し、戦闘から、身体が変えられていく戸惑い、抗いきれない絶頂まで描きます。
気絶しても止まらない快楽。
救いに来た戦士さえ呑み込む陣。
そして、近づく献上の時。
雪兎が白虎眼を奪われるか、紅蓮が連れ帰るか。
その結末は……